②「鳥の目 虫の目 魚の目」:いつでもどこでも3つの視座で見る
これは私が若い頃に職場の上司から教えてもらった言葉です。誰が起源かは不明です。「鳥の目」とは高所から対象とその周辺を全体的に鳥瞰すること、「虫の目」とは対象に接近して細部に分け入って観察すること、そして「魚の目」とは時間の流れに身を置いて変化を観測・予測することを指します。
「多角的な視点を持つことが重要」と言われますが、「多角的と言われても、さて、どうすればいいのか?」と困る人も少なからずいるではないかと思います(私もそうでした)。「鳥の目 虫の目 魚の目」は「大局、細部、流れの3つの視座で見ろ」ということを言っており、その通りにしてみると確かに「多角的に見る」ことが容易にできます。
行き詰まりを打開したい時、新たな切り口を模索している時、進路に迷いを感じた時・・・例えば、
・強大なライバルがいて正面から戦っても勝ち目がない
・ジリ貧の事業をどう転換させていいかわからない
・不効率なプロセスの改革にどこからどう手をつけていいかわからない
・商品力強化とコスト改善をどう両立させればいいかわからない
・自身が専門知識に乏しい領域の事案を専門家の判断に任せてしまってよいか
気持ちを落ち着けてアタマの中で「鳥の目 虫の目 魚の目」を1つ1つ働かせてみると思わぬ気づきやヒントがフワッと浮かんんでくるのです。
かつて、史上最高のアイスホッケー選手と言われたウェイン・グレツキーは『私が例外なのは私がパックのあるところに行くのでなく、パックの来ようとしているところに行くことだ』と言ったそうです。また、最近、テレビ観戦したサッカーの試合でブラジルのネイマール選手が常に絶好のポジションにふっと現れるのを解説者が絶賛していました。超一流のアスリートには目の前だけでなくフィールド全体と未来が「常に見えている」のでしょうね。
「鳥の目 虫の目 魚の目」はリーダーに限った話ではありません。自分で試して「使える!」と思ったら、組織全体に奨励するのもよいと思います。