④ ボールを投げられたときの4つの対応:「いつも両手をあけておく」 「ヒマを恐れない」
仕事はボールを回すことに似ています。しかも仕事の場では、常にたくさんのボールが飛び交っています。どこからかボールがパスされた時、対応は4つあります。「ボールを持って自分で走る」「誰かにパスする」「投げ返す」「よける」の4つです。
多くの場合、リーダーとなる人は幅広い業務を上手くこなしてきた経験を持っているために「ボールを持って自分で走る」のは得意です。チームのメンバーがボールを持って走っているのを見ると「自分の方がうまくできる」と思うことも多いでしょう。けれどもリーダーがチームの司令塔であるとするなら、仕事を抱え込まずに「いつも両手を空けておく」ことが大切です。リーダーが自分でボールを持って走るのは、リーダーにしかできない仕事の時だけです。
また、4つの対応の中で一番簡単なのが「ボールを持って自分で走る」で、他の対応にはチーム力を活かすスキルが必要です。「パスする」なら誰にパスするか、どんなパスをするかによってその後の展開は大きく変わります。「投げ返す」というのは、そのまま投げ返すのではなく、瞬時に答を出して相手に返すということです。「よける」には放置しても問題ない、あるいは誰かが拾い上げるという見通しを持つとともに、ボールを投げてきた相手への配慮が不可欠です(あからさまによけるとその後の人間関係に支障が出ますよね)。
リーダーが4つの対応をうまく使い分けるためは、自身のテクニックを磨くとともにメンバーのスキルを上げることも重要です。自分の代わりにボールを持って走れる人、局面によってはリーダーに代わって司令塔の役目が果たせるひと、転がっているボールを拾い上げる人・・・。これこそが真のチームワークと言えます。
もうひとつ大事なのは「ヒマを恐れない」ことです。リーダーの中には激務の中を成り上がってきた人も少なくないでしょうが、「忙しい」が習慣化して、忙しくしていないと気が済まず、常にスケジュールをぎっしりと埋めている人をよく見ます。質の高い頭脳労働はいったい1日に何時間できるのか?人にもよるのでしょうが私の場合、1日に3時間も集中するとかなり疲労します。なので私は「できるかぎりヒマでいる」ことを心掛けています。