<アンリ・ファヨール>

フランス人(18411925年) 

 

 1860年(19歳) 炭鉱会社コマンボール 鉱山技師として入社 

 18881918年  社長に就任 (コマンボール社は石炭・製鉄会社へ多角化)

 1916年     長年の経営者としての知見をもとに「産業ならびに一般の管理」を執筆

 

 著作が欧米に流布されると、ファヨールを始祖とする管理過程学派が形成され、経営学の

 

 主流となるが、近年は経営理論の多様な展開の中で「古典派」と扱われることが多い。

主著「産業ならびに一般の管理」の概要

 

①企業の活動は以下の6つに大別される

 

・最初の5つは広く知られている、管理的活動については一層の説明が必要(だから本を書いた!)

・管理的活動は6つの活動のうちの1つだが、他とは明確に区別され、他を凌駕する

 

 ①技術的活動:生産、製造、加工

 ②商業的活動:購買、販売、交換

 ③財務的活動:資本の調達と管理

 ④保全的活動:財産と従業員の保護

 ⑤会計的活動:財産目録、貸借対照表、原価、統計、等々)

 ⑥管理的活動:(予測、組織、命令、調整、統制)

 

②管理的活動は以下の5つのプロセスで成り立っている

 

 予測:将来を検討し活動計画を作成すること

 組織:権限と責任の種類を割り付け、企業の物的ならびに社会的な二重の組織を構成すること

 命令:計画を実行させること、従業員を作業に就かせること(会社を機能させる)

 調整:あらゆる活動とすべての努力を結合し、一元化し、調和させること

 統制:監視と修正、全ての活動が基準に則り、命令通りにおこなわれることを確保すること  

 

③管理の一般的原則

 

・程度問題であり、数え上げればきりがない

・個人的な経験を元に特に重要と感じるのは以下の14項目

・普遍的な原則の確立に関しては今後の公衆の討議に期待したい

 

 ①分業:分業の必然性、結果としての職能・権限の分化

 ②権限と責任:権限乱用の防止、責任からの逃避願望の克服

 ③規律:服従、精勤、活気、態度

 ④命令の一元性:上司はひとり

 ⑤指揮の一元性:計画はひとつ

 ⑥個人的利益の全体的利益への従属:全体的利益が優先される

 ⑦従業員の報酬:公正、努力を奨励、限度を超えた過剰支払いの回避

 ⑧権限の集中:権限集中と分業は程度問題、状況による、優劣はない

 ⑨階層組織:現場組織間の横連携が巨大組織の弊害を補う

 ⑩秩序:適材適所と適所適材、清潔であること

 ⑪公正:良識、経験、寛大さに基づく公正の実現

 ⑫従業員の安定:教育の重要性

 ⑬創意:計画立案と実行の能力こそが創意

 ⑭従業員の団結:団結は力、バラバラにしない